Photo:Takuto Yamasaki、Kato Shumpei | Text:Shu Nissen | Edit:Keita Miki | © Ginza Sony Park Project
目的地のGinza Sony Park は、B9番出口直通。
日本一長いと言われる銀座の地下街の迷宮を進んでいくと、早速、YOASOBIの柱巻き広告と遭遇。ファッショナブルな撮り下ろしヴィジュアルに期待が高まります。
”工事中のGinza Sony Parkに忍び込んで作られた写真展”というコンセプトなので、会場周辺には柵が設けられ、”KEEP OUT”と書かれたオリジナルのバリケードテープや、さまざまな標識が散りばめられていました。
やっぱり「入っちゃダメ」と言われる程、かえって入りたくなるもの。「いや~面白いですね~! どこから侵入するのかな~?」なんて言っていたら、地下の入り口は普通にちゃんと封鎖されていました。気を取り直して地上へ向かいます。
ちなみにファンの方は既にお気付きでしょうが、YOASOBIが2021年2月に初のワンマンライブを行ったのは、新宿歌舞伎町にある東急歌舞伎町タワー建設中の工事現場で、ライブのタイトルは『KEEP OUT THEATER』。そして結成5周年を記念した今回の『KEEP OUT GALLERY』。彼ららしい、遊び心の効いた演出です。
地上へ出ると、巨大なコンクリート建築がお出まし。2017年3月に営業終了したソニービルを建て替えて誕生するGinza Sony Parkです。2024年8月に竣工し、外観はもう完成していて、内側は2025年1月のグランドオープンに向けて、絶賛工事中とのこと。数寄屋橋交差点とつながる地上の吹き抜け空間には、コンサートなどでお馴染みとなっているYOASOBIのサインが来場者をお出迎え。最終日とあって、多くのファンで賑わっていました。
スタッフの方に案内され、いよいよ会場へと潜入。エレベーター内も養生されており、工事中の雰囲気が抜かりなく表現されています。ワクワクを高めながら、3階の会場に到着。
打ちっぱなしのコンクリートって、なんかテンション上がりますよね。柵や単管パイプのアイアンの装飾も相まってミニマルでインダストリアルなグレーの空間が、鮮やかな写真の存在感を際立たせます。
壁面にはYOASOBIからのメッセージと、計34枚の写真。10月30日発売予定の雑誌『VI/NYL SUPER YOASOBI 5TH ANNIVERSARY BOOK』に掲載されるこちらの写真の数々は全て、90cm四方または150cm四方のビッグサイズで迫力満点です。
ファッションシューティングの内容もかなりエッジの効いた仕上がりに。YOASOBIの2人が、ここまでアバンギャルドなファッションに身を包んだビジュアルはかなり新鮮で、ファッションの企画でもYOASOBIをもっと見てみたいなと思える取り組みでした。
写真ではシリアスな表情やモードなポージングを披露したかと思えば、撮影現場のBTS的なスペシャルムービーも流れていて、和気藹々とした空気感にほっこり。ギャップのある様々な顔を見ることができました。
特に印象的だったカットを少しご紹介。
花やしき、浅草、古民家など、和のムードを感じるロケーションにて、一際異彩を放つパンクなスタイリング。この空間とのアンバランスなムードによって非日常が演出されています。
クラシックなパンクス・スキンズ・ゴスといったカルチャーを感じられるファッションながらも、ポップなカラーリングや小物使いによって、現代的なミックス感にまとまっているように感じました。Ayaseさんのバチバチなヘアメイクもクールです。
そんなハードでエッジの効いたスタイリングもあれば、学校のシチュエーションでは、ファーやアニマルなアイテムと、スクール感のあるスタイリングで、小動物のような可愛さも漂わせるikuraさん。
様々なコーディネートや表情が、新鮮でありながらも違和感を感じなかったのは、 ポップであったり、一転してダークであったり、大胆な転調で目まぐるしく雰囲気を変えるYOASOBIの音楽性にも通じるところがあるのかもしれません。
ロケ地となった花やしきのパンダカー2台も場内に展示され、YOASOBIの2人と同じポーズで記念撮影できるブースも。元気なスタッフのお姉さんに天使のような笑顔で記念撮影を勧められましたが、おじさん1人での参戦だったので丁重にお断りしました(笑)。
また、隣接する西銀座駐車場の地下1階・Sony Park Miniでは、コラボドリンクの販売も実施。盛り沢山の内容となっていました。
5周年記念ということですが、YOASOBIの快進撃を思い返すと「まだ5年か」とも思えるような大活躍。彼らが様々なことにチャレンジして来たということが、多彩なファッション/シチュエーションの写真で表現された本展、まさにアニバーサリーに相応しい企画だったのではないでしょうか。
日本人が海外のチャートを賑わせ、外国のフェスで会場を沸かせる姿は、やはり胸が熱くなります。これからのYOASOBIの挑戦も引き続き応援していきたいと思います。
それでは今回の体験レポートはこの辺で〆。
皆様、またお会いしましょう~。