世界各国からメディア関係者やKOL(Key Opinion Leaderというインフルエンサーの別名)が招待されたこのイベントは、VANSが今年新たに発表したソールテクノロジー、”ComfyCush”が搭載された『ERA』のお披露目パーティーです。
Masteredは、日本のメディアで唯一のご招待でした。
言わずもがなですが、VANSは1960年代より、カリフォルニアのVan Doren(ヴァン・ドーレン)ファミリーがサーフ&スケートカルチャーとともに築いてきたシューズブランド。
ドッグタウンのヒーローたちに愛されたこの西海岸のシューズメーカーには、『AUTHENTIC』や『Old Skool』、『SK8-HI』、『HALF CAB』など有名なシリーズが多数ありますが、中でも『ERA』は、レジェンドスケーター・Tony Alva(トニー・アルバ)とStacy Peralta(ステイシー・ペラルタ)の提案によって誕生したアイコニックな人気シリーズです。
招待状には”KEEP IT COMFY NIGHT” at ComfyCush High Schoolと書かれていて、ハイスクールがイベントテーマの様子。
会場に入ると、ハイテンションなスタッフたちが、”Class Registration(クラス登録)”と書かれた受付へ案内してくれました。ここで、自分のロッカー番号とクラスの時間割が書かれたカードをもらいます。
ロッカーを開けると、そこには自分のサイズの『ComfyCush ERA』と靴下が。靴のサイズを事前に聞かれていたのはこういうことだったのかと関心。
プレゼントされた『ERA』に履き替え最初のクラスへ向かいます。
最初の授業はSCIENCE(みんなそれぞれ違う時間割をもらいます)。
教壇に立っていたのはVANSのフットウェアデザイン・シニアデザイナーであるNathanial Iott(ナサニエル・イオット)と、グローバルプロダクト・マーチャンダイジングマネージャーのMatthew Pino(マシュー・ピノ)。
半分に切ったオリジナル『ERA』と『ComfyCush ERA』を片手に、構造の違いを説明してくれました。マットにはインタビューもしたので、追ってご紹介します。
10分くらいの授業の後、試験管に入った緑色のショットを(任意で)飲んで次へ。
ホームルームの時間には、Comfyストローで飲めるドリンクを配っていました。
1番のサプライズは最後のHISTORYクラス。
講師はなんとTony Alvaでした。60歳を超える現役レジェンドスケーターが真剣に『ERA』誕生のエピソードや、当時のカリフォルニアについて語り、クラスの後にはサインや握手、記念写真を求める列も。
トニーのアシスタントはVANSのDirector of Global Footwear DesignのRian Pozzebon (ライアン・ポッゼボン) 。
案内された時間割をこなした”放課後”は、会場のデコレーションを撮影したり、廊下の壁にグラフィティーを書いたり飲んだり食べたりと、しばし自由時間でしたが、突然マーチングバンドが入場しパフォーマンスがスタート。バンドの迫力といい、引くくらい踊り出すスタッフのノリといい、”さすがアメリカ”な感じのエネルギー。
社長の娘のKristy Van Doren(クリスティ・ヴァンドーレン)は、会場に来れなかった父(社長)、Steve Van Doren(スティーブ・ヴァンドーレン)にFaceTimeで実況していました。微笑ましい。
イベントのクライマックスに登場したのは、スケートもできちゃうラッパー、Lil Wayne(リル・ウェイン)。
たっぷり1時間くらいのステージだったんじゃないでしょうか。ゲストとスタッフに加え、この時間からはLil Wayneのツイートを見て駆けつけた一般のファンも入場して、好き放題盛り上がっていました。
さて、この大掛かりなローンチイベントを設けた『ComfyCush ERA』について、先ほどSCIENCEクラスにいたマットに超クイックインタビューです。
— 『ComfyCush ERA』とこれまでの『ERA』は見た目ですぐわかりますか?
Matt:アウトソールでわかるよ。オリジナルの『ERA』はヴァルカナイズ製法なのに対し、『ComfyCush ERA』はより履き心地の良いラバー素材をミッドソール全体に注入しているんだ。だからこれまでのアウトソールは主にワッフルのラバーが1色なのに対して、『ComfyCush ERA』の靴底を見るとお馴染みのワッフルアウトソールの網目からミッドソールの素材が見えるんだ。
— すごく軽いですが、他にも構造上の違いは?
Matt:軽いよね。それは素材変更の結果で、使っているフォームの密度が違うんだ。他にも、土踏まずのアーチ部分にサポートが付いたフォームインソールを使っているし、履いているうちにシュータンがズレないように内側で留めている。全て履き心地を最優先にした結果の構造になっているよ。
— 製品化までに1番難しかった点は?
Matt:製造過程自体は、それほど難しくなかったんだ。改良すべき要素はわかっていたからね。ただ、アイコンマネージメントという点で、社内ですごく話し合うことになった。『ERA』はすごくアイコニックなモデルだから、そのクラシックなイメージと、製品自体の進化をどうやって同時にファンや消費者に伝えるか、プレゼンテーションの方法がすごく重要だったね。”something new, something old”っていう要素を上手く伝えることが大事だったと思う。
ということで、”新しくも懐かしい”、『ComfyCush ERA』をプロモーションするために大人向けのハイスクールがテーマだったのにもなんだか納得。
各コンテンツも説得力のあるキャスティングで、テーマに合わせたデコレーションやプロップスの作り込みが行き届いていたところもさすがでした。
肝心の『ComfyCush ERA』はもちろん軽く履き心地良好です。今回は改めて、VANSのストーリーテリング能力の高さを感じたイベントでした。
『ComfyCush ERA』の購入は、Billy’sオンラインほか、取扱店舗にてどうぞ。
【お問い合わせ先】
BILLY’S Online
http://www.billys-tokyo.net/