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不動産セレクトショップ『R-STORE』とEYESCREAM.JPによる、「おしゃれに暮らす人」がとことんこだわった「部屋」を分析していく定期連載『R-STORE FRIENDS on eyescream』。
第5回となる今回紹介するのは、5年間住んだNYから最近帰国したばかりだという不動産関係の会社役員、梁剛三さんの部屋。
第5回:不動産会社役員の部屋
■今回の「おしゃれに暮らす人」
梁剛三(Kozo Ryo) 不動産会社役員
渋谷から代官山行きの巡回バスに乗って約7分。代官山エリアに足を踏み入れるその少し手前、鉢山町に今回の物件がある。「同じ渋谷でも道玄坂や神泉とは違う、ローカルで個性的なお店が集うエリア」という言葉でこの場所を表現してくれた、梁さんのSOHO(自宅兼事務所)を訪ねて来た。5年間住んだNYから最近帰国したという梁さん。物件選びやインテリアコーディネートなど、自身の経験を踏まえて色々な話を聞いた。
— NYではどんなお仕事をされていたのですか?
梁:不動産関係の仕事をしていました。当初は音楽をやっていたんですが、色んな経緯から自分で仕事をするようになって。初めは1年のつもりが結局5年住みましたね。今回、東京でも事業を立ち上げることになり、昨年帰国してきました。
— この部屋は新事業をスタートさせるためのSOHOだと伺いましたが、どんな基準で選んだのでしょうか?
梁:エリアに関しては、NY時代の知り合いが近所でお店をオープンさせたことが大きいですね。何かあっても助け合うことができるし、すぐに会える。そしてやはり都心でビジネスがしやすいことも重要なポイントでした。ミーティングなども頻繁にありますし。と、表向きには言っているんですが(笑)、単純にこの鉢山町というエリアに魅力を感じた部分もあります。僕はNYにいた時にWilliamsburgという街に比較的長く住んでいたんですが、そこはNYで最も都会のマンハッタンからブルックリンの方向に1駅行った場所で。マンハッタンより落ち着いた、個性的でローカルなお店が沢山ある素敵なエリアだったんです。そこと同じフィーリングを感じられたのも、このエリアを選んだ大きな要素ですね。
— 鉢山町の中でも、この部屋を選んだ理由はどんなところにあったのでしょう?
梁:部屋として使える空間が大きいことでしょうか。NYは、アメリカの中では1つ1つの部屋が狭い方ですが、それでも日本と比べると大きいんですよね。特に天井はすごく高くて、面積はそこまで広くなくても、空間が大きい。つい同じような感覚で選んでいましたね。キッチンや水回りが部屋の外にあって、綺麗な正方形で……。
— 空間の使い方がとてもダイナミックで、日本らしくないですね。家具もヴィンテージっぽいものが揃っていますが、ご自身でセレクトしたのでしょうか?
梁:そうですね。NYではフリーマーケットでヴィンテージ家具を買っていたのですが、今回は知り合いに紹介してもらったお店を通じて購入しました。浅草にメデルジュエリーという素敵なジュエリーのお店があるんですが、そこの京都店をオープンさせる時に使ったヴィンテージ家具店でANTRYといいます。僕は元々神戸の出身なんですが、ANTRYは東大阪にあって。東京で購入するよりもグッと価格を抑えて、良い物を仕入れる事ができるんです。物はイギリスから来ることが多いみたいですね。その他、ヤフーオークションやIKEAなども使いました。SANSUIのスピーカーはヤフオク、ベッドはIKEAですね。
— 全てが高価なものというわけではないんですね。少し安心しました(笑)。
梁:もちろん、お金をかければ良い空間を創ることはできるんですが、それをやってしまって面白くなくなった経験が過去にあって。(お金が)ないなりにやっている方が、時間はかかるんですが、結果的に面白いものが出来ると考えています。きちんと手をかけた感じが出るというか。
— お金をかけて良い物ができるのは当たり前だということですね。
梁:うちの場合は奥さんが大体の空間の絵を描いて、僕がかけるお金とのバランスを考慮しつつ、詳細にチョイスするものを決めます。彼女もNYに10年住んでいた経緯があるのですが、[Mark McNairy(マーク マクナイリー)]というアパレルブランドに携わったことで、感性が拡がって空間デザインにも興味を抱いたようですね。って、なんか滅茶苦茶NY被れの奴みたいなインタビューになっちゃいましたけど、日本も大好きですよ(笑)。
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