「おしゃれに暮らす人」はどんな部屋に住んでるの?
『R-STORE FRIENDS on eyescream』 第2回:日本とデンマークのハーフの人の部屋

by Mastered編集部

第1回も好評を博した、不動産セレクトショップ『R-STORE』とEYESCREAM.JPによる、「おしゃれに暮らす人」がとことんこだわった「部屋」を分析していく定期連載『R-STORE FRIENDS on eyescream』。第2回となる今回紹介するのは、デンマーク人の父親と日本人の母親を持つハーフ、ボヴェ啓吾さんの部屋だ。

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第1回も好評を博した、不動産セレクトショップ『R-STORE』とEYESCREAM.JPによる、「おしゃれに暮らす人」がとことんこだわった「部屋」を分析していく定期連載『R-STORE FRIENDS on eyescream』。第2回となる今回紹介するのは、デンマーク人の父親と日本人の母親を持つハーフ、ボヴェ啓吾さんの部屋だ。

第2回:日本とデンマークのハーフの人の部屋

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■今回の「おしゃれに暮らす人」
ボヴェ啓吾

広告会社勤務。企業のブランディングや非言語・無意識の領域を軸とした商品開発のサポートなどを行う。趣味の写真はフィルムカメラを使って壁や雨を撮影すること。古いものと現代の考え方の中で自分の居住まいを考え続けている。

都立大の駅から徒歩10分。商店街を抜けていくと、通りに面した築50年のマンションに到着する。真っ白に塗られた共用階段がなんとなくリゾートマンションの風情。今回訪れた部屋は、備え付けの襖や壁紙も取っ払って作った、セルフリノベーション部屋。ひとりでこの部屋を作り上げてきた、ボヴェさんのこだわりの数々を伺った。

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— 素敵なお部屋ですね! この物件に出合った第1印象はいかがでしたか?

ボヴェ:最初にみた物件の写真で気に入りました。眺望が凄くよかった点と、広さに対して価格も安いし、仕切りをとりはらうことでワンルームとして広々住めそうだなと思い、見に来てすぐに決めました。ただ、はられていた壁紙が気に入らなくて、それを剥がさせてもらえたらもっといいな、と思って大家さんに交渉しました。

— 壁紙を剥がすときには苦労もあったそうですね。

ボヴェ:ドイツ製のケルヒャーというスチーマーを購入して、蒸気で糊をふやかしながら壁をはがしていきました。始めは素手で道具を使っていたのですが、遅々として進まず、このまだと爪がなくなっちゃう、と思って道具を探したんです。業者さんに頼めば、すぐに作業してくれるのでしょうけど自分でやりたかったんです。最初の1年で壁を仕上げて、それからは少しずつレイアウトを変えたり、家具を揃えたりして現在の形に近づけていきました。

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— 部屋の一部は和室のようですが、もともとは襖(ふすま)が入っていたのですか?

ボヴェ:大きな襖が4枚入っていましたが、取り外して布をかけ、部屋の片隅に置いてあります。恐らくあとから作った和室だと思うんですが、梁や浅い段差があることで、居間とベッドルームに別れるようにさりげなくゾーニング(間を仕切ること)されていて、ワンルームなんですが空間の使い方に変化をつけることができて住みやすいんです。

— 置いてある家具と空間のバランスが絶妙ですね。

ボヴェ:父親がデンマーク人なんですが、幼少時代に過ごした実家は古い日本家屋でした。そのため、和の空間にあたり前のように北欧家具が置いてあったんです。「北欧」「アジアン」など、ひとつのスタイルが完成していると落ち着かないと感じるのは、その影響かもしれません。壁の照明や棚なんかは実家からこの部屋に運んだものです。

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— 古い家具や置物も見られますが、幼いころから骨董や古いものが好きだったんですか?

ボヴェ:昔から家の中に古い物が多かったのでそれが落ち着くんです。新品のものを買う時にも、長く使って傷を負ったときに美しさが増すようなものか?という視点で選ぶようにしています。言葉で表現するのは難しいんですが、自分自身が美しいと思うものや形は長いこと変わっていなくて、それに反するものを「とりあえず」で手に入れないようにしているので、断捨離をするってことはあまりありません。

— かといって、古道具屋さんのように“THE・昭和の空気”になっていないのはさすがですね。

ボヴェ:何がそうさせているのかな………、和に振りすぎないことは意識していますね。集まるもののバランスで、何が心地よいかなと考えて、直感でバランスをとっているんだと思います。しかし、和室の竹の柱はかなりのパワーを持っているので、あれにどのように対峙して行くかと悩みながら改装しました(笑)。

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— リノベーションやものをずっと大切にするという考え方はデンマークの思想でしょうか?

ボヴェ:日本に暮らしていると、のっぺりとした新築の家が並んだ景観や、建築的にも美しい産業遺産があっさりと取り壊されてしまうのを目にすることがあり、とても残念に思います。もともと日本では多くの人がより新しい建物を求め、家は数十年単位で建て替えられることを前提に設計されています。1200年代に書かれた『方丈記』の有名な冒頭「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」なんて、まさに人とその住まいが消えては生まれることを語っています。また伊勢神宮が“式年遷宮”という形で定期的に建て直され続けていることにも表れています。この背景には、地震などの環境的特徴や「無常感」とも言える日本独自の感性文化が関わっていると思うので大切に継承されていくべきだと思います。

デンマークについては、実はあまり良く知らないんです(笑)。でも、欧州は基本的に古い家が多いですし、建てて壊してではなくて歴史のある古い建物に長く住むことを価値だと捉えていますよね。それが住まいや街並みの美しさに繋がっているのは間違いないと思います。

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R-STORE

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