2018年7月の「うますぎる店」 3選(Personal Lists)

by Kentaro Kabaya and Keita Miki

巷に溢れる「リストもの」では一切食指が動かないというワガママな僕らの為のリストを編集部員が、そしてゲストエディターが、自由気ままにパーソナルな視点で作り上げる『Personal Lists』。
今月もBAL(バル)の蒲谷健太郎氏をゲストエディターに召集し、2018年7月の「うますぎる店」 3選をお届け。
日々、様々な飲食店に足を運ぶ蒲谷さんが2018年7月に足を運んだ「うますぎる店」をチョイスしてもらいました。

1. コクエレ

本業の洋服制作がバタバタしており、またまたアップが遅れてしまいました。

西小山の四川料理のコクエレ。武蔵小山の再開発で駅周辺にあったお店が移転して来ており、俄かに盛り上がっている西小山エリア。

少人数では味わい尽くせない中華。友人夫婦らと4人でお邪魔。こちらは日本酒と、四川のマリアージュというアプローチが面白い。

まずは大好きな前菜のクラゲサラダは、頭の部分が入る好みのヤツ。山椒の爽やかさと食感が楽しい一品。パクチーサラダもケチらず大量のパクチーがGOOD。

痛恨のお酒の写真を撮り忘れるという失態。山廃仕込みや、古酒など、少し甘みのあるタイプがやはり合います。

シグニチャーとも言うべき揚げナスはカリッカリの食感で、酒のツマミとしてピッタリ。脂っこくもなく、いくらでも食べられそう。

春巻きは細くてひき肉には独特の香り。エビとたまごのフワフワオムレツで少し辛さ痺れから小休止。優しい美味さ。オムレツと聞くと条件反射的に注文してしまう。

ラストは四川といえばやっぱり麻婆豆腐。しっかりと辛味と山椒を効かせつつも絶妙なバランス。ご飯を注文し忘れてしまい大後悔。チャーハンも美味しいようなので次回はたどり着きたい。

連れて行ってくれた友人夫婦は店主とも仲良し。少しお話を聞かせてもらうと、なんでも現地でしか手に入らない香辛料を買いに行くためだけに二泊三日で四川に行くという。なんと凄い情熱!

いや〜美味しかった。また行きたいな。

【コクエレ】
東京都目黒区原町1-16-17 1F
TEL:03-6303-2543
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131710/13149938/

2. えぼし

まだこの頃は夏だったので、海でも行くかと茅ヶ崎へ。何気に来たことがなかったかも茅ヶ崎。サザンのお膝元。ビーチではずっとサザンが流れてました。

さ、それはさておき、口開けに予約したえぼしへ。こちらも料理家の先生が事あるごとに行っていて羨ましかった。

コリコリフレッシュなツブ貝刺身と、和だけにとどまらずなカルパッチョ。たこのサラダはフライドガーリックが効いてる。火を通すとぐっと甘みの出る生しらすの天ぷら。あると注文してしまうシリーズのカニクリームコロッケ。お寿司もあるので少し。握りは鯵、しらす、ネギトロ巻き。お寿司も美味しいな。〆にはあら汁。大満足。この日は車で来ていたことが悔やまれる。

全てがちょうどよくて、なんでも美味しい。それにしても何でもある。お刺身、焼き物、揚げ物、お寿司、食べなかったが焼き鳥もある。

そして何しろ広い。デカ箱。座敷もあるしテーブル席もたっぷり。大人数で来て昼から宴会して、近くのエアBとかホテルに泊まるとかやりたい。

地元の人はここ一件で事足りる。そりゃロコからは愛されるし、遠方からも行く価値ある、良きお店でした!

【えぼし】
神奈川県茅ヶ崎市南湖5-17-56
TEL:050-5589-6831
https://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140406/14000306/

3. ペリキュール

こちらも長らく行きたいな〜と思っていたお店。

渋谷と代々木八幡の間くらいの、最近、奥渋谷などと言われるエリア。でも、あの呼び方はあんまり好きじゃないな(笑)。

それはいいとして、念願のペリキュール。友人夫婦らとお祝いで。カウンターのみのこぢんまりとした店内。シェフのノブさんが1人で仕切ってます。座ってメニューを眺めていると、ずっとダジャレを言ってくる!「この人はなんなんだ(笑)」となりますが、料理の腕は本物です(ノブさんすいません)。

まずは暑い日でしたガスパチョ。夏のガスパチョ好きです。やさしくも塩のキマった美味しさ。フレッシュで立派なマッシュルームのサラダ。ブラータはトマトやごぼうと。ブラータは組み合わせで個性が出ますね。

この日の白眉は、たらの蒸し煮。ホワホワのたらは滋味深く、なんとも奥行きのある味わい。根セロリとフレッシュのタラゴンが付け合わせとして良い仕事ぶり。お皿のなかで完璧な調和がとれていて感動。次はフランス産の鴨。皮目がパリッと完璧な火入れ。旨味がしっかりと閉じ込められている。

そしてシグニチャーのステーキ。これがまた完璧。美味い。「ステーキは焼き方よりもカットだよ」とノブさん。歯ざわりや食感に肉肉しさのバランスなど、確かにカットが重要なのだなと納得。

最後はマルジェラみたいな白い紙箱に入った高級パスタで〆。

自然派ワインとステーキの老舗、祥瑞でシェフをされていたとのことで、肉に対する扱いは流石の一言。ワインも自然派中心だけど、これ見よがしじゃなくて、良いバランス。お値段もこの感じに対しては割安感を感じる。

小さな厨房で完璧に出来上がって行く料理。軽妙なトークと連発される駄洒落とのギャップは完璧主義なノブさんの照れ隠しなのかも知れないな。また行きます。

【ペリキュール】
東京都渋谷区神山町9-17 神山ビル 201
TEL:080-1798-4107
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13205105/

POSTED BY

蒲谷健太郎

1999年創業のbalanceweardesignを経て、都市環境に順応したトータルウェアとグラフィックの提案をコンセプトに、1990年代のミックスカルチャーにインスパイアされたリアルクローズを展開する。音楽とファッションの親密な繋がりをものづくりに反映したハイカジュアルなストリートウェアに定評あるBALのデザインを担当。