定番パンツを徹底解剖。『マスタードのパンツ辞典』 #80:mocTの『LOOPWHEEL SWEAT PANTS』

by Seiya Kato

デニムにチノパン、スラックス。ファッションブランドが毎シーズンのようにリリースする”定番”と呼ばれるパンツたちは、そのブランドを映し出す鏡だ。
1本の定番パンツを実直にリリースし続けるブランドもあれば、定番パンツをベースに異なる素材やシルエットで多彩なバリエーションのパンツを創り出すブランドもある。そう思うと定番パンツというのは案外、シーズンテーマの設けられた最新コレクションよりも雄弁に、ブランドのスタンスや現在地を物語っているのかもしれない。
Masteredの大人気企画『無地T MANIACS』の派生型として誕生した本企画『マスタードのパンツ辞典』では、移りゆくトレンドに左右されることなく、ブランドがリリースし続けている”定番パンツ”を、編集部員が実際に着用しながら、毎回1本ずつ、じっくりと紹介。
第80回では、mocT(モクティ)の『LOOPWHEEL SWEAT PANTS』をピックアップします。

Photo:Kazuki Miyamae

mocTの『LOOPWHEEL SWEAT PANTS』

古き良き日本の伝統を継承したmocTの『LOOPWHEEL SWEAT PANTS』をご紹介。

基本情報
ブランド:mocT
アイテム名:LOOPWHEEL SWEAT PANTS
素材:コットン100%
サイズ:S、M、L、XL
カラー展開:ヘザーグレー
価格:18,700円(税込)

様々な糸の開発に挑戦してきた新内外綿株式会社が作り出す、最高品質のスウェットパンツ

1887年の創業以来、様々な糸の開発に挑み続けてきた新内外綿株式会社が満を辞してリリースする『LOOPWHEEL SWEAT PANTS』。大正時代から高度経済成長期前にここ日本で主流とされていた旧式の編み機を用いたヴィンテージライクな佇まいが最大の特徴で、生地を編む際に余計な力をかけることなく編み上げられた柔らかな肌触りは一度穿いたら病みつきになること間違いなしです。

■レコメンドポイント

世界中のラグジュアリーブランドから一般大衆ブランドまで、幅広く愛されるグレーの杢糸を使用。原料の段階で染色を施すという独自の綿染めからは、糸染めや生地染め、製品染めでは再現できないソフトな風合いを楽しむことができます。染料の使用量も圧倒的に少なく、サスティナブルな観点からも高い評価を獲得しているのが納得できますね。

ディテール&シルエットチェック

ストレスフリーな穿き心地を実現するウエストの仕様。

裾にはリブを採用しているので見た目もスッキリ。

あると便利なヒップポケット。

セットアップとしても着用可能な『LOOPWHEEL CREWNECK P/O』もラインナップ。

Mサイズで、ウエスト76cm、ヒップ106㎝、股下74cm、総丈99.5cm。

サイド。

バック。

実際に着用してみた感想

Mサイズを着用した編集K(身長:183cm、体重:65kg)

「日焼けや劣化からくる黄変も少なく、長く着用できるのがとても嬉しいですね。洗濯する度にソフトな風合いへと変化していき、エイジングが楽しめるのも本アイテムの大きな魅力かと」

総評:星4★★★★☆

着心地:ライト ■■□□□ ヘビー
裏起毛はしていないので年間を通して着用が可能。

シルエット:スリム ■■■□□ ルーズ
ゆったりとしたシルエットながら、程良くラインをスリムに見せてくれるフィット感も特徴的です。

コストパフォーマンス:お値打ち ■■■□□ ラグジュアリー
家でも街でも活躍すること間違い無し。グレーの杢糸は汚れが目立ちにくいので、ガシガシ穿けるのも高得点です。

【お問い合わせ先】
UNITE NINE
TEL:03-5464-9976