Cover Photo:The League Of Us
— DIVINITIESsがスタートした経緯について教えてください。
高校卒業後、周りには大学や専門学校に行く友達が多かったけど、僕は自分自身が何を勉強したいのか、イマイチ分からなかったんだ。そこで「自分がやりたいことは何なのか」って考えた時に、ストリートウェアが好きだったから、自分でブランドを立ち上げてみようと思ったのが始まり。その頃、弟のAlexはまだ高校2年生だったけど、彼も僕と同じくファッションが好きだったから2人なら出来るかもしれないと思ってね。それが2010年のこと。
— ファッションやグラフィックを専門的に勉強した経験はありますか?
ないね。でも、僕たちはスケートもするから、自分達の目でLAのストリートカルチャーはずっと見てきたつもりだし、今思えば、それもある意味では勉強だったのかもしれない。LAにはFairFaxっていう通りがあって、そこにはSupreme(シュプリーム)をはじめとしたストリート系のお店が並んでいるんだけど、僕たちはその中の1つ、Hall of Fame(ホールオブフェイム)で働いていて、そこで学んだこともブランドに活かせると思ったんだ。
— 実際にブランドをスタートさせてみてどうでしたか?
とにかく大変だったね。特にどうやって服を売るかっていう、マーケティングの部分が難しかった。洋服を作るってことに関しても何も知識が無かったから、全て独学でやっていたよ。それでも不思議と充実感があったのは、「周りと違うことをしたい」、「楽しいことを追求したい」っていう欲が他人よりも大きかったからかな。
— 仕事をする上で2人の役割分担は?
「次のデザインはどうしようか」っていう話し合いを2人で永遠と繰り返して、それをAlexがデザインして、形にする。基本的に僕はそれ以外のことをやってるよ。兄弟だからスムーズな時はスムーズだけど、言い合う時はお互い引かないね(笑)。それでも彼のことは信頼しているし、ベストパートナーだと言えると思う。
— DIVINITIESというブランド名の意味を教えてください。
色々な捉え方があると思うけど、伝えたいのは”Being the best who you can be.(=ベストな自分であれ)”ってことかな。これは、いつでも良い人間でいたいっていう僕のポリシーでもあるんだ。良い結果を手にしたかったら、悪い態度を取っていられないだろ? だから、いつでもみんなに優しくしていたいって思ってる。トラブルなんてまっぴらごめんだよ。楽しく平和に過ごしたいからね。
— ブランドのコンセプトは何かありますか?
ブランドコンセプトを持つとどうしてもブランドとしての幅が狭まってしまう気がして、あえてあまり意識しないようにしてるんだ。自由にやることが僕たちらしい気がしてるし、そういうブランドでありたいね。明確に「こういう人に着てほしい」ってビジョンも無いし、僕たちのクリエーションやメッセージに共感してくれたら着てほしい。ただそれだけなんだ。
— 2人のインスピレーション源はどんなところにあるのでしょうか?
主に子供の頃の記憶や思い出からインスピレーションを得ることが多いかな。子供の頃に持っていたお気に入りのおもちゃや無くしたモノ、欲しかったけど買ってもらえなかったモノ、頭の片隅にあるそういった懐かしい記憶をかき集めて、自分たちはそれを、今また違う形で手にしているんだ。僕たちは日本のカルチャーからも影響を受けて育ったし、同世代なら尚更共感してもらえるものが多いんじゃないかな。
— どんな幼少期を過ごしましたか?
僕とAlexはイーストLAのごく一般的な家庭で育った。別に最悪な環境で育ったわけでもないし、特段リッチな生活をしていたわけでもない。学校から帰ってくるとビデオゲームをしたり、外で遊んだりっていう普通の生活さ。でも今思うと、当時はまだスマートフォンを持っていたわけじゃないし、特にすることもなかったから、しょっちゅう2人で何かを作っていた気がするよ。
— インターネットの発展によって、何か影響を受けた部分はありますか?
DIVINITIESが始まったのは、ちょうどソーシャルメディアが大きく動き出した時期で、ブランドの成長にインターネットの存在は大きく影響したと思っているよ。インターネットは多くを学べる場所であると同時に、自分たちがやっていることを世界に発信できるっていうすごい力を持っている。「うまく使わないと危ない」なんて話も良く聞くけど、僕達は比較的にうまくやっていると思うかな。Twitterでつぶやき過ぎて、「うるさい」って言われることはあるけどね(笑)。
— 日本での取り扱いはどのようにスタートしたのでしょう?
まだブランドが始まって間もない頃、MIN-NANOのGOROがインターネット上で僕たちのフーディを見てメールをくれたのが、日本との初めての繋がりかな。その後、実際に日本のお店に置いてもらえることになって、自分たちが良いと思うことをやり続けて良かったなと思ったよ。
— 今後、日本での取扱店舗をもっと増やしていく予定はありますか?
実際は少しずつ減らそうとしているんだ。置かせてもらうことはありがたいけど、僕たちなりの考えで、Bend Tokyo、TOXGO、Apple Butter Storeのような、僕らのブランドが今よりも更に無名だった頃から応援してくれているお店だけに取扱を絞ろうと思って。オンラインではなく、こういったクールなお店に実際に足を運び、DIVINITIESのアイテムを買ってもらって、お店のこともサポートしてくれたら最高だね。
— ブランドのゴールについて考えたことはありますか?
自分たちが本当に納得いくものを作って、ビジネス的にもうまくいって、100%自分たちが満足出来る状態になること。周りからの評価とか、ブランドの大きさとか、そういうことでは無くて、どれだけ自分たちが満足出来るかが全てだね。その目標にたどり着くまでは、ベストを尽くすよ。あとは、いつでも楽しくいたい。最近、みんなシリアスになりすぎなんじゃないかな、って思ってるんだ(笑)。
— LAではいつも何をして遊んでいるんですか?
スケートをして、近所のボウリングセンターに友達と行くくらいかな。お腹が空いたらブリトートラックで、焼きたてのブリトーを食べるのが定番。あとは韓国風焼肉、Roscoe’s House of Chicken and Wafflesのワッフルチキン、 Golden state burgerのバーガーとか、ジャンクなものが結構好きかも。もしLAに来ることがあれば、ぜひ行ってみてほしいな。
— 色々な国に足を運んでいるようですが、LA以外で好きな都市はありますか?
ロンドンのスケートシーンはかなりクレイジーで面白いね。サンフランシスコはLAと比べると少しゆったりした空気が流れているから、バケーションにはもってこい。あとはもちろん、僕もAlexも日本が大好きだよ。最近は行く頻度が増えて、より好きになったし、新しい第2のホームって感じがするね。この前日本に行ったばかりだけど、またすぐにでも戻りたいと思っているよ。
— 無人島に何か3つ持っていけるとしたら何を持って行きますか?
スケボー、ミネラルウォーターのペットボトル(無制限)、それから彼女かな。あっ、彼女は一番先に書いておいて(笑)! まぁ、多分彼女は無人島なんて絶対嫌がって来ないけど……(笑)。
— 今1万円を渡したら何に使いますか?
スナックだね。日本のスナック菓子は最高。今ちょうど日本からLAに友達が来ているんだけど、彼にSOURSを買って来てもらうように頼んだんだ。日本にいるときに食べたらハマっちゃって、10個買ってきてくれたのにもう残り3個しかないから、早く買わなきゃいけない! SOURS、僕らのスポンサーになってくれないかな(笑)。
— この世界で恐れているモノは何ですか?
お母さん、人殺し、ピエロ、あとはゾンビかな。良く『ウォーキング・デッド』を観るんだけど、もしあんなことが実際に起きたらマジで怖いよ。地球が終わってしまうことが一番の脅威かもしれないね。まだ心の準備が出来ていないし、一生出来そうにない。
— 世の中に一言だけ訴えかけるとしたら?
ヘイトし合うのはやめて、クールにいこうぜ。
— 最後に、日本のファンにメッセージをどうぞ。
いつもDIVINITIESをサポートしてくれてありがとう。いまちょうど秋シーズンのコレクションが仕上がったところなんだ。今回はカスタムキャップやアウターなど、新しいものも用意してる。柄にも挑戦したり、かなり新鮮だと思うから、みんな楽しみに待っていてほしいな。
■DIVINITIES
https://thedivinities.com/
国内での取扱店舗:Bend Tokyo / TOXGO / Apple Butter Store