カンパニー松尾の「華麗なるおっぱい」 鈴木真夕編

by Keita Miki

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■今回の”カレー” 「信濃町 メーヤウ」

もうどれだけ通っているだろうか。
僕が上京した1983年に創業し、日本で初めてタイカレーを出したお店と称されるのが信濃町のメーヤウである。
創業当時は、JR信濃町から出てすぐの木造の掘立て小屋みたいなお店だったが、同じ外苑東通りの四谷方面の地下に移転して、広くなった。

僕は小さい頃からカレーが大好きだが、地元春日井では、家でハウスのカレー(バーモントカレーorジャワカレー)しか食べたことがなかった。

つまり、おうちのカレーしか知らないカレーオナニー少年だった(まあ、実際童貞だった)。

そんな僕が、高校を卒業し、映像の専門学校に通うため上京し、少し経って、バイク(ベスパ)を手に入れ、それまで本や雑誌で見て憧れていた東京の名店と呼ばれるカレー屋さんを回り始めた。

デリー、ムルギー、共栄堂、モンスナック、たいめいけん、ナイルレストラン、スイス、モティ、香妃園、スマトラなどなど。
その中で一番強烈&強敵だったのが、メーヤウである。

洋食系のカレー屋さんは「ふむふむ、旨い!」、インド系は「ほおお、旨い!」といけるのだが、初めてのタイカレーは、とにかく辛かった。最初は中辛(メーヤウではレッドカレー)から食べたはずだが、とにかく「しょっぱくて辛すぎる!」と思った。

なので、信濃町と言えば、駅前の本屋が入ったビルの地下にひっそり佇む、(今もあるけどカレー界では何も話題にならない)カレー屋・JUNEの方が好きで、JUNEばかり行っていた(JUNEは、静かでスポーツ新聞が置いてあって、一服も出来て、喫茶店使いできる感じが良い)。

そんなこんなで時は過ぎ、30代になってタイ料理にも慣れた頃、メーヤウを思い出し、再訪したらこれが旨かった!
タイ料理屋さんのカレー(これまたお店によって幅がある)よりも、具材が日本式で辛味もシンプルだった。多分甘口(メーヤウではグリーンカレー、大根とタケノコが美味しい)から食べたと思うのだが、常連さんたちが、やたら「大辛!大辛!」とオーダーしてるので、次に大辛頼んだら、これまたむちゃくちゃ辛いのだが、むちゃくちゃ旨かった。

結果、僕が歳を重ねて味覚が広がって、ようやくタイ料理の辛味を旨みとして食べられるようになったのだ。
何事も決めつけがちだけど、味覚は、時間やタイミング、自分自身の変化もあるので、一度だけの決めつけはよくないなと思った次第です。

メーヤウの注意点としては、慶應病院が近く、学生もいるので12時のランチタイムは行列必至(ただ回転は早いので、長い行列でもあまり待たない)。あと、コロナの影響で、営業時間がお昼の15時30分までと短縮中なので、土曜日のお昼を狙って行くといいかもです。

僕の最近のオーダーは、大辛ライス小にチキンを追加してダブルチキンで。チキンを追加するとお値段は張りますが、贅沢なお肉たっぷり状態になります。あと、特筆すべきはじゃかいもの美味しさ。これも追加出来るので、お腹とお財布に余裕ある方は追加して楽しんでください。カレー以外にタイそばとのセットやカオマンガイとかもあるので、辛いの苦手な方も同伴可能です。

いろんなタイカレーがあるけど、メーヤウ信濃町の大辛は別格かと。
この夏、一度、ご賞味くださいませ。
ではまたです(つうか、今後久しぶりにJUNEに行ってみよう)。

※写真は、大辛ライス小にチキン追加です。

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カンパニー松尾

AV監督。1965年愛知県生まれ。1987年、童貞でAVメーカーV&Rプランニングに入社。翌88年、監督デビュー。特技はハメ撮り。趣味はカレーとバイク。1996年、V&Rを退社しフリーとなり、2003年、自身のメーカーHMJM(ハマジム)を立ち上げる。代表作として『私を女優にして下さい』、『テレクラキャノンボール』など。また一般作としてミュージシャン・豊田道倫のPVやライブ撮影を手掛けている。