カンパニー松尾の「華麗なるおっぱい」 鈴木真夕編

by Keita Miki

3 / 5
ページ

松尾:あれ、アイドルは好きだったんだっけ?

鈴木:好きでしたよ。でも、自分がアイドルになろうって発想は無かったですね。AV女優になる子って歌出したいですとか、女優になりたいですってパターンも多いじゃないですか。そういうの、素直にスゴイなって思います。「夢あるな~」って。

松尾:鈴木さんは初めて会った時から、そういう感じは一切無かったですよね。

鈴木:え、ほんとですか?

松尾:うん、普通の人が「ちーっす」って来たなって感じ。

鈴木:あー、でも私ってそんな感じらしいですね。

松尾:着エロから、なんでAVに転向しようと思ったんですか?

鈴木:それも当時は何も考えてなくて、ヌードの写真集とか着エロの仕事に関連して、たまたまAVの仕事の話が来て「やる?」って事務所から声をかけられて。で、まぁお金もないし、相変わらず限界ギャルだったんで「よし、やるか!」って感じで。なんだかんだ言っても、お金は欲しかったですから。

松尾:それは今でもみんなそうだと思いますよ。建前上、「アイドルになりたい」っていうことはあっても、AV女優になる理由って基本的にはみんなお金ですから。

鈴木:そう言われるとなんかショックですね……。

松尾:いや、お前が言うなよ(笑)! でも借金とか男に貢いでたって訳ではないんでしょ?

鈴木:そういうのは全然無いですね。ただただ貧乏だったんです。

松尾:けどさ、着エロとAVって全然違うじゃない。その辺はどうだったの?

鈴木:実はそれまでAVってほとんど観たこと無かったんですよ。だから、自分がAVに出ることに対して全然イメージが出来てなくて。結果、当日現場についてからパニックになって泣きました(笑)。

松尾:なんか字面だけ見てると、すごいお馬鹿な子の話を聞いているみたいですね(笑)。デビュー作はE-BODYでしたっけ? わりとセックス一直線のレーベルですもんね。

鈴木:そうですね、結構求められることが色々とあって。「言われたことをやらなきゃ」って考えてたら緊張どころじゃなくなって、いつの間にか終わって、疲れて家に帰って寝てました。とにかく疲れた記憶しか無いです。

松尾:鈴木さんはそういう思考がほんとにギャルだよね(笑)。AV女優をやっていくうちに変わったことは何かありますか? なんだかんだ今まで続けている訳ですけど。

鈴木:今は全然楽しいですよ。色々なことを経験できるし、現場に行けば色んな人に会えるし。

松尾:やってるうちにやりがいを見つけたタイプね。

鈴木:そうですね、最初はとにかく”仕事をこなす”って感じで余裕が無くて、すごい辛かったんですけど、ある時、なんとなく思い立ってDMMのレビューを見てみたんですよね。デビュー作のレビューとか酷くて、「ブス」とか「3本くらいで辞めそう」とか「すぐアナルやりそう」とか散々な言われようだったんですけど、反面、意外とちゃんと見てくれている人も多くて。「また出て欲しい」って思ってくれている人がいるんだったら、やってみようかなって。

松尾:はじめてファンの存在を認識したんですね。今の女優さんって、結構そこがモチベーションになっている子も多いですよね。SNSとかを通してファンから励ましてもらったりとか。

鈴木:そうですね。私は未だに自分がAV女優って自覚が無くて、ほぼ一般人だと思って生きてるんですけど、ファンの方たちが私をAV女優として支持してくれる限りは、私はAV女優でいられるので。そういう意味では、ファンの方たちが私をAV女優にしてくれていると思っています。

松尾:なんだかアイドルの卒業公演みたいな雰囲気になっちゃいましたね(笑)。けど、実際にそうなんですよね、AV女優だって。

鈴木:その通りです。それ以外に私にAV女優の要素は無いので。