「ほんとは意味を知らないけど、わざわざ人に聞くのもなんか寒いな」というファッション用語をわかりやすく楽しく解説する『いまさら聞けないファッション用語辞典』。今週解説する言葉は ”エシカル ”。
【第16回】エシカル(ethical)
Illustration:HONGAMA
Instagram:@hongama56
[形容詞]
倫理的、道徳的。
本来エシカルは倫理的といった意味なのですが、英語圏では、もう少し踏み込んだ意味合いを持ち始めたようです。近年、ファッションの世界で注目されている”エシカルファッション”という言葉を聞いたことがありませんか? これは、ざっくり噛み砕くと、オーガニックな素材や、リサイクル素材などを使用した自然環境や人への配慮がなされたアイテムを着ることを指します。
有名な例で言うと、世界で初めてリサイクル素材を使ったフリースを発表した[(パタゴニア)]、動物素材を使わないポリシーを貫く[Stella McCartney(ステラ マッカートニー)]、100%生分解され、土へ還るオリジナル素材F-ABRICを使用する[FREITAG(フライターグ)]など、エシカルな取り組みに力を入れるブランドは数多く存在します。
エシカルかどうかという基準を持ち、生産過程など、服を買う前後のストーリーを含めてファッションを楽しめるのがエシカルファッションの新しさですね。その醍醐味に気がつき、これまで安さに飛びついて、何も考えずに服を購入していたファストファッション思考からシフトしていく人が、年々増えてきていると言えるのではないでしょうか? 重要なワードなのでこの機会に覚えておきましょう。
それでは例文へ。
○
A:「“エシカルなアイテム”を選ぶ。これは、今や環境意識の高い西海岸のローカルサーファーの間では常識だからね。」
B:「お前サーフィンしないじゃん。」
A:「僕はサーフィンはしないけれど! “エシカルなアイテム”を選ぶ。これは、今や環境意識の高い西海岸のローカルサーファーの間では常識だからね!」
B:「でもお前! サーフィン! しないじゃん!!」
解説:
確かに西海岸のローカルサーファーって言われると、なんだか説得力増しますね。自然に感謝してる感じが伝わってすごく良いです。
×
社員:「あれ、お前昨日と同じ服着てるよね? そして完全に風呂入ってないだろ! 」
バイト:「先輩、エシカルファッションですよ。僕の高い環境意識が、身体と服を洗うことを許さないんです。洗剤とシャンプーで地球を汚すなんて、そんな。」
社員:「寝坊したんだな。」
解説:
デニムを洗わないで履いて、リペアして、大事に長く使うのはエシカルかもしれませんが、言い訳としてのエシカルはNGです。
これでエシカルは覚えらましたね。早速、エシカルな服を購入して環境意識の高い自分に酔いしれながら、その重要性を飲み会でコンコンと語り倒しましょう。