サルでも分かる!『いまさら聞けないファッション用語辞典』第1回 :エフォートレス

by Mastered編集部

新企画、『いまさら聞けないファッション用語辞典』では、「ほんとは意味を知らないけど、わざわざ人に聞くのもなんか寒いな」というファッション用語をわかりやすく楽しく解説していきます。

こんな文章を見たことはありませんか?
「アーティスティックな感性を基に、クチュール的なディテールを取り入れて、フェミニンさを洗練されたアート的な感覚で表現します。」

感覚で表現されることが多いファッション用語は難しい。ここまで多用されると、もはや何を言っているかわからない。その上、日々言葉は進化し、新しい表現が生まれていく。ただでさえ難しいのに、そもそもわからない単語があったら解読は不可能。

新企画、いまさら聞けないファッション用語辞典では、「ほんとは意味を知らないけど、わざわざ人に聞くのもなんか寒いな」というファッション用語をわかりやすく楽しく解説していきます。

【第1回】 エフォートレス(effortless)

エフォートレス。最近よく聞く表現ですね。辞書によると定義は、

[形容詞]
1 〈物・事が〉努力を要しない,骨の折れない,楽な

となっています。
要は、無理せず肩肘張らないという意味。正確にはエフォートレスシックと言って、シンプルで気取らないスタイルのことを指す言葉です。日本語だと抜け感、こなれ感という表現に近く、ノームコア(究極の普通)にも通じる近年のファッションの流れを表すキーワードになっていますね。

それでは例文を見てみましょう。

まずは正しい使い方です。

男A「フランス人ておしゃれだよね」

男B「シンプルかつ肩の力を抜きながら、コーディネートに自分らしさをプラスする。そんな独特のエフォートレスなバランス感覚があるよなー。」

解説:
超クール!腹立たしい程に正しい用例です。平凡な世間話に彩りを加えながら、自分の”分かってる感”を必要以上に誇示しています。

続いて間違った使い方です。

EFFORTLESS_2

Illustration:HONGAMA
Instagram:@hongama56

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男「ルーズなジャージパンツに踵を潰した泥だらけのスニーカー。トップスには洗濯していない、こなれ倒したシワだらけのシャツのボタンを、あえて掛け違えることでおっちょこちょいな痛恨の抜け感を演出。計算されたかのような寝癖による無造作ヘアで待ち合わせに40分遅刻して登場だー。これぞまさに、究極のエフォートレススタイル!」

彼女「帰って。」


父「どうしてテストでいい点を取ることができないんだ!勉強が足りない!エフォートレスなんだよお前は!」

息子「ごめんなさい。」

解説:
手抜きしている様を表す言葉ではいのでご注意ください。実は気を使っているが、それに気づかせないような自然体の装いのことなので手抜きとはむしろ正反対です。

これでエフォートレスの使い方はバッチリですね!是非、学校や職場で乱用してみてくださいね!それでは次回をお楽しみに!