藤井健太郎のoff-air 第9回:TEITO

by Keita Miki

規制だ、コンプラだ、とネガティブな言葉が飛び交う昨今のTV業界。だけど、そこにはまだまだ尖ったヤツらがいる。マスメディア界の異端児、藤井健太郎がホストを務める連載『藤井健太郎のoff-air』では毎回さまざまな分野の個性を招き、昔ながらのクジ引き形式で出たテーマに沿ったり逸れたりしながら、電波にはのらない放談をお届け。テレビじゃ聞けない裏話や驚きのアイデアが飛び出すかも知れないし、飛び出さないかも知れない。見逃し厳禁、規制がかかるその前に。
第9回目のゲストは、Masteredでもお馴染みの人気ブランド・BoTT(ボット)のデザイナーであるTEITO

Photo:Rintaro Ishige | Text&Edit : Keita Miki | Special Thanks:CARBON | 収録日:2022年10月18日

もしかしたら、何を作るかより、どう発信して見つけてもらうかって才能の方が今は重要なのかもしれないですよね。(TEITO)

— 藤井さんはちょくちょくBoTTの洋服を着てらっしゃいますけど、そもそもお2人はどういった繋がりなのでしょうか?

藤井:最初に会ったのは福岡だった気が。

TEITO:そうそう、福岡でBIMから藤井さんを紹介してもらって。ちょうど福岡のお店でポップアップをやっているタイミングで、めちゃくちゃ酔っ払っててダル絡みした記憶があります。あの時はすみませんでした(笑)。

— それから継続的に連絡を取るようになったと。

TEITO:BIMも交えて一緒にお酒を飲んだり、旅行も何回か一緒に行きましたよね。韓国とか、ロサンゼルスとか。この間も一緒にバーベキューをしましたし、1年間全く会わないとかは無いですね。

藤井:でも、別に一緒に仕事をしたことはないもんね。

TEITO:そうですね、本当に友達って感じで。

— 仲良くなったきっかけとかは何かあるんでしょうか?

TEITO:ご本人を前にして言うのもあれなんですけど、そんなに気を遣わなくて良いよって感じで接してくれるのが一番大きいですかね。僕は今29歳なんで、年齢的にも藤井さんは大先輩で教えてもらうことも多いんですけど。

藤井:お互い他業種なんで、そういう意味では直属の先輩後輩っぽい感じにならなくて良いのかも。

— なるほど。それでは早速ですが、クジを引いてみましょうか。

TEITO:はい。……”海外展開”。

— テレビにしても洋服にしても2010年代以降、やっぱり国内需要だけだと先細りだってことが段々とバレてきている感じはあるじゃないですか。僕らメディア側も含めて、あらゆる分野で海外にどうやって出て行くかっていうのが共通の課題にはなっていると思うのですが、お2人はその辺り、どう考えているのかなと。

藤井:僕らの業界でいえば、最近はNetflixやAmazonプライムとかの配信サービスでも、テレビ局が作ったドラマやバラエティがかなり多く配信されるようにはなっていますよね。

— ああいうのってテレビ局側にも結構お金は入ってくるものなんですか?

藤井:金額のことはあんまり分からないですけど、それなりに入ってるんじゃないですかね。TBSでいうと今『風雲!たけし城』のリバイバル版をAmazon向けに作っていて。テレビで流さずに番組制作だけを担当するって商売をテレビ局もするようにはなってる。

TEITO:まぁでも、テレビ、漫画、アニメの海外進出ってなかなか難しいですよね。『ONE PIECE』の実写版とか、正直めちゃくちゃ不安がありますもん(笑)。

藤井:そう考えると、ファッションが一番世界との距離が近い気もするけど。

TEITO:ハードルは低いかもしれないですね。

藤井:海外でもDOVER STREET MARKETとか、お洒落なセレクトショップに行ったら、置いてるのは結局日本のブランドばっかりだもんね。

TEITO:LAでいえばUNIONとかもそうでしたよね。とはいえ、BoTTとしてはもっと海外での展開を増やしたいなとは思っているんですが。

— 現状、海外の卸し先ってどのくらいあるのでしょう?

TEITO:ヨーロッパとアジアで数店舗ですかね。まだアメリカが無いので、そこは頑張れたらなと。

藤井:最近だとReebok(リーボック)とのコラボレーションもあったし、年々着実に大きくなってきている感じはするよね。

TEITO:藤井さんと出会った時と比べれば、ステップアップ出来ているんですかね。

藤井:ブランドもそうだけど、TEITO自身の暮らしもね。

一同笑

藤井:まぁでも実際そうでしょ。もう不自由な暮らしをしてる訳ではないじゃない。

TEITO:そうですね、藤井さんから「LA行こうよ」って言われた時に金銭的な面で悩まなくて良いくらいにはなりました(笑)。5年前はふらっとLAなんて行けなかったので。

藤井:でも、経済的な事情で日常の何かを我慢しなくていいっていうのは大きいよね。別に贅沢したい訳じゃないんだけど、なるべく我慢はしたくないっていうかさ。お金が理由でやりたいことができないってことは、なるべくない方がいい。

TEITO:まさしく。それが一番理想的ですよね。そうなりたいから頑張ってきた、みたいなところはあります。あの、今の話題とは全く関係無いんですけど、藤井さんに1つ聞きたかったことがあって。テレビ番組でCMに入る時って、毎回誰かが”CMに行くぞ”ボタンみたいなものをリアルタイムで押してるんですか?

藤井:いやいや、そんなことないよ。まぁ生放送は当然リアルタイムだからそういうCMボタンを押してるけど、普通の収録番組はCMタイミングも含めたデータでだいたい前日には搬入してあるから。

TEITO:1日前ってすごいですね。

藤井:昔はもっと全然ギリギリで、2時間特番の前半を放送している時に、まだ後半の編集中だったりすることもあったけどね。

TEITO:最近はデジタルデータで納品って感じなんでしょうか?

藤井:今はデジタルのディスクみたいなもので納品してるけど、まもなく完全なデータになるって感じかな。基本、民生機より業務用機材の方が遅いんだよね。ちょっと前まではテープ納品だったし、昔はAテープ・Bテープって2本同じテープを納品しててさ。要するに1本が万が一トラブルで止まっちゃった時にはもう1本の方がかかるようにしてあるっていう。

TEITO:へぇ~。面白いですね。CMのことずっと聞いてみたかったんですよね。テレビ番組ってCMの秒数も入れて綺麗に番組を終わらせるじゃないですか。単純にすごいよなと思って。

藤井:これ、そんなに面白い話かな(笑)。

TEITO:テレビ博士ですよ(笑)。ちなみに、編集は編集だけをやっている人たちがいるんですか?

藤井:いるにはいるんだけど、バラエティの場合、基本的にはディレクターが自分でやっていて、例えば収録した中からどの部分を使うかを決める作業なんかは完全にディレクターの仕事。昔はプロじゃないと触れない機材も多かったから、編集専門の人に任せる作業もそれなりにあったんだけど、今は全部PC上で完結するからね。

TEITO:お~やっぱりそこもパソコンでやってるんですね。

藤井:そう、我々が編集ソフトを使ってPC上で編集したものを、最後に編集の担当に渡して、細かいところを調整してもらうって感じかな。テロップは基本的に編集の人に入れてもらうんだけど、もちろん文言はディレクターが決めていて、デザインとか、レイアウト、テロップの動きなんかを「こんな感じで」って伝えてイメージを具現化してもらう。

TEITO:漫画の作り方に似ていますね。一般的にみんなが使う動画の編集ソフトでやってるってことですよね?

藤井:そうだね。そんなに特殊なことはやってないと思うよ。

TEITO
デザイナー
1993年生まれ、文化服装学院出身。2019年よりBoTTをスタート。最新コレクションとなる2023年春夏コレクションはBoTTのオンラインストアおよび全国の正規取扱店にて順次発売中。

— では次のテーマにいきましょう。……”最近買って良かったもの”。

TEITO:僕は圧倒的にマッサージガンですね。筋膜を剥がすみたいなやつ。あれはマジで良いです。大体新しい家電ってすぐに使わなくなったりするんですけど、1年以上使い続けてるんで。

藤井:足に使うの?

TEITO:足ももちろんですし、もう全身ですね。毎日使ってるし、本当に買って良かったなと思います。藤井さんはどうですか?

藤井:うーん、細かいモノは買ってると思うけど、最近大きな買い物は無いかな。

TEITO:藤井さんってどんなモノを買うんですか。LAとかでも特に何も買ってなかったですよね?

藤井:服は多少買ったけどね。でも、そう言われると段々とモノを買わなくなってきたかも。

TEITO:物欲が無くなったってことですか?

藤井:昔はCDとかDVDを結構な量買ってたけどね。音楽と映像は基本定額になっちゃったから、今でもモノとして買うのは本ぐらいかな。電子書籍は買わないから。

— 僕もたまに買うんですけど、本を落ち着いて読める時間ありますか?

藤井:あんまり読めてはないですけど、他に比べたら本はまだ消化できてる方ですかね。映画は2時間くらいの連続した時間が必要だから、さらにハードルが高くて。仕事柄、テレビはある程度見なきゃいけないというか、最低限のチェックはしなきゃならないんで、別枠なんですけど。ただ、本って買って満足しちゃうことも多いですよね。読まないけど、買って積んでおけば満足みたいな。

TEITO:分かります。あれ、なんでなんですかね。

藤井:そういう意味では、所有欲というのはまだ自分の中にあるのかも。

— では次のテーマにいきましょう。

TEITO:……”就職や仕事に対するアドバイス”。

— BoTTのブランド名は”Birth Of The Teenager”から来ていると思うのですが、やはり現代のティーンエイジャーのリアルな悩みと言えばこれなのかなと。

藤井:僕の時とは時代が違うから、なかなか難しいですね。実際、自分が学生の時は大きい会社に入った方が良いなって考えてましたし。

TEITO:今はフリーランスの人も多いですもんね。

藤井:むしろ、そっちの方が良かったりする面も多いしね。

TEITO:藤井さんは新卒でTBSに入ったんですよね?

藤井:うん。普通に大学を出て、就職活動をしてって感じ。

TEITO:今の若い子達はどんな悩みがあるんですかね。

— 良く聞かれるのは、「日本にいるより海外に出て行ったほうが良いんですかね?」とか。

TEITO:行けるなら行った方が良いですよね。僕はブラジルの高校に通ってたんですけど、行って良かったなって思いますよ。

藤井:TEITOの場合は少し特殊だけどね。ブラジルでは日本語は全く使ってなかった?

TEITO:ポルトガル語のみですね。日本語を喋れるのは一緒に暮らしていたおばあちゃんだけで。おばあちゃんとも基本はポルトガル語で話してました。

藤井:すごいな。

TEITO:中学校を卒業して、3日後くらいにはブラジルに出発して(笑)。親父が日系人なんですけど、行ったら何とかなるって教育だったので、特に何の準備もせずに行きましたね。行きの空港で「1から100までは数えられるようになっておけ」って謎のアドバイスを受けたことを覚えてます。

藤井:空港で(笑)。もうちょい早く教えてほしかったね。

TEITO:飛行機に乗りながら、1から100までポルトガル語で数えられるように勉強して(笑)。まぁ15歳だったし、大体3ヶ月ぐらいで自然と何を言っているのかくらいは分かるようになりましたけど。普通の公立の高校にぶち込まれたので本当にブラジル人しかいなくて。最初はいじられるというか、日本語教えてくれって言われたりして、それがダルかったです。

一同笑

藤井:当然、同級生も15歳だからね(笑)。まぁ、住むのはちょっと大変だけど、海外に全く行ったことがないってのは良くない気がするよね。行った上で「違うな」とか、「日本の方が好きだな」とかの判断がある訳で。僕も旅行レベルだけど大学生の時に結構色々な国に行ったんで、そこで自分の生活とは全く違う暮らしが世界にはあるんだなって知ることができたし。最悪日本でうまくいかなかったら海外にでも行けばいいやって思えるだけで、結果ずっと日本で暮らすとしても、だいぶ精神的には楽になる気がするけどね。

TEITO:その逃げ道があるだけで、だいぶ気は楽ですよね。

藤井:当たり前だけど、絶対に日本で働いて暮さなきゃいけない訳じゃないからね。

TEITO:アメリカに行くだけで「こんな適当で良いんだ」って思えますよね。スーパーとかコンビニの店員とか、めちゃくちゃ適当じゃないですか。あぁ、これでも全然良いんだなって。

藤井:ブラジルはどうだったの、治安とかも含めて。

TEITO:もう治安はめちゃくちゃに悪いですね(笑)。僕はブラジリアっていうブラジルの首都で暮らしていたんですけど、街の中心地から離れれば離れるほど治安が悪くなる感じで。

藤井:街自体は綺麗なの?

TEITO:都市が出来てまだ60年ぐらいの街なので、綺麗は綺麗ですよ。でも、うちの兄も車を運転していたら強盗にあって1回拉致されたりしましたし。車のトランクに詰められて拉致されたらしいんですけど、たまたまその車がガス欠で止まって、犯人がビビッて逃げて助かりました。街中で銃声も聞こえるし、サッカーの練習場にアサルトライフルを持った警察官が入ってきたりもしたし、そういう意味では決してオススメは出来ないですね。日本の若者が行くなら、無難にアメリカとかの方が良いかと。

— 藤井さんは「テレビ局に入りたいんですけど、どうしたら良いですか」とか聞かれることって多いんじゃないですか。

藤井:たしかに聞かれることもありますけど、そもそも今テレビ局に入るべきなのかどうかってのはありますよね。

TEITO:若い子の家にはテレビが無いっていいますもんね。

藤井:映像コンテンツを作る会社って意味では悪い場所じゃないし、まだまだ他にないノウハウだったりも持っているとは思うけど、テレビ局に入ることがベストだと断言はできないかも。

— 僕らの世代からすると、花形というか人気の職種のイメージはありますけどね、テレビ局って。入社のハードルも高いというか。

藤井:昔よりはだいぶ入りやすくなってるんじゃないですかね。

TEITO:ダメだったら、テレビの制作会社とかもありますしね。

藤井:でも、今はテレビ番組だけを作ってる制作会社ってほとんどないんじゃないかな。どこの会社も配信やYouTubeの制作とかもやってるはず。

TEITO:あぁ、だからテレビっぽい番組がYouTubeに溢れかえってる訳ですね。

— TEITOさんも「デザイナーになりたいんですけど」って聞かれること、あるんじゃないですか。

TEITO:聞かれることありますけど、僕は結構ピンボールみたいな人生でデザイナーになったので、あまり参考になるようなアドバイスが出来ないんですよね。そもそも、今って誰でもデザイナーになれる時代じゃないですか。Tシャツ1枚作って、ネットで無料のウェブショップを用意すればそれでデザイナーですから。

藤井:音楽とかもそうだよね。昔はレーベルと契約してCDを出さなきゃいけなかったけど、今は個人が自分の部屋で作ったものをYouTubeなり、SoundCloudなりで簡単に世界に放てる訳で。映像もそうだけど、制作物のクオリティさえ高ければどんな人にも可能性はあるからね。

TEITO:SNSもありますしね。

藤井:発見されて話題になるまでのスピード感も全然違うもんね。

TEITO:もしかしたら、何を作るかより、どう発信して見つけてもらうかって才能の方が今は重要なのかもしれないですよね。そういう人が強い時代になったなと。

— それは編集者にも言えることなのかもしれません。時代と共に求められるスキルはどんどんと変わっていきます。テレビの世界ではどうですか?

藤井:うーん、意外とそこは大きくは変わっていないような気はします。多分。

TEITO:でも、確実にテレビでやれることの範囲は狭くなってきていますよね?

藤井:昔はもっと大雑把でよかったからね。いわゆるコンプライアンスの制限もそうだけど、今は間違いや嘘があったらすぐに発見されて問題になっちゃうので、面白さはもちろんなんだけど、間違っていないこと、正しいことの重要度が増してるようには思うかな。

TEITO:昔のテレビの映像を見ると、「これ大丈夫?」ってものが沢山ありますもんね。

藤井:ちなみに、手品なんて画質が理由でテレビではやりづらくなってるからね。解像度的に、昔は見えなかった”線”がもう見えちゃうっていう。

一同笑。

藤井:お台場の球体消すヤツとかも、往年の手法ではもう出来ないですから(笑)。

藤井健太郎
TVディレクター
1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後にTBSテレビに入社。入社3年目で『リンカーン』の立ち上げに参加し、その後『クイズ☆タレント名鑑』等を演出・プロデュース。現在は『水曜日のダウンタウン』などの番組を手がけ、話題や火種を生んでいる。

— 次のテーマにいきましょう。

藤井:……”住みたい街”。

TEITO:どこでも良いんだったら代々木上原とかかな。

藤井:ベタにね。都心までの距離感と、街の雰囲気と、飲食店の感じと。

— 海外に住みたい気持ちはありますか?

TEITO:海外だったらロンドンかLAが良いですね。30代になって住めるんだったら本当に住みたい。

藤井:日本の拠点はゼロにしてってこと?

TEITO:そうですね、完全に移住したいです。僕は犬を飼っているんですけど、海外はドッグランも広いし、そういうのも良いなと。都内は仕事関係の人がみんな近所に住んでて、会いたいときに会えるのは良いんですけど、逆に仕事を断りづらいっていう面もあって。

藤井:職業柄、海外を拠点にしてもやれそうだしね。国内だったら、沖縄にもう一軒、家があったら最高。

TEITO:良いですね。あとは福岡も。家賃もだいぶ下がるし、ご飯も美味しい。人も良いですし。藤井さんは都内以外に住むことって考えていますか?

藤井:いや、基本は毎日会社に行くから距離のある場所はちょっと厳しいかな……。めちゃくちゃ現実的なことを言うと、代々木上原はすごく良い線だよね(笑)。完全に東京を離れるってことは考えていなくて、海沿いとかに別荘を持っていて週末はそっちに、みたいな生活は全然アリ、というか理想だよね。

TEITO:まぁ、現実的に考えたら僕もそうなんですよね。東京にいないと不便なことも多いし。このまま東京に留まるか、思い切って海外に行くのか、どっちかになりそうです。

— どんどんいきましょう。……”円安”。時事ネタですね。

TEITO:海外展開のことを考えるとブランドにとっては良い事なんですよね。逆にセレクトショップとかインポートをやっている人たちはすごく大変そうですけど。

— ファッション業界はもろに影響を受けていますよね。

藤井:僕は、仕事にはさほど影響は無いんですが、たしかにこの間LAに行った時は全てが高かったですね。朝ごはん食べて2~3000円は当たり前って感じで。

TEITO:海外に住みたいとか言っちゃいましたけど、それは無理ですよね……。

藤井:海外で日本の仕事だけをするってなると厳しいかもね。

— このレベルの円安って僕らは経験したこと無いですもんね。

藤井:この間、昔の雑誌でスチャダラパーとDe La Soul(デ・ラ・ソウル)が対談している記事を見たんだけど、冒頭でDe La Soulのメンバーが「日本は何でもかんでも高くて嫌になっちゃう」って発言をしてて。

TEITO:それって何年ぐらいの記事ですか?

藤井:1992~93年くらいかな。

TEITO:30年前か。30年で逆転するもんなんですね。でも、ここから30年、円安が続くって考えると嫌だな。60歳になっちゃいますよ。次、引きますね。……”10代の頃に知っておけば良かった、やっておけば良かったと思うこと”。

— 先ほどの就職に対するアドバイスと少し被りますが、ティーンエイジャーに向けてということで。

TEITO:僕は本をもっとちゃんと読んでおけば良かったなと思いますね。藤井さんもさっき話していましたが、大人になると本を最後まで読み終えるっていうのが、なかなか難しくて。

— それは世代的な問題もありそうですよね。自分たちが若い頃はスマートフォンが無かったので、すごく暇でしたし。

藤井:SNSも無かったし、他の選択肢が無かったですからね。移動中とかの空き時間にはやっぱり本を読んでましたし、常に文庫本がバッグの中に入っていたと思います。電車に乗ったら音楽を聴くか、本を読むかの2択でしたからね。

TEITO:藤井さんはどうですか。

藤井:英語はちょっと思うところがあるかな。大学生の時には長期で海外に行ったこともあるし、もう少し喋れたはずなんだけど、今は全然。単語も出てこないし。

TEITO:これからの時代、英語はますます必要になりそうですしね。あとはもっと色々なアルバイトをやっておけば良かったなと。

— どんなアルバイトをやりましたか?

TEITO:日本に帰ってきてから日雇いもやったし、業者のドライバーさんの助手席に座って駐禁を避けるアルバイトとか(笑)。でも、寝るとすごい怒られるんですよ。朝の8時集合で、夜の7時くらいまでずっと助手席に座ってるだけなんですけど。

藤井:携帯とかは触ってても良いんでしょ?

TEITO:いや、それもなんかドライバーさんによる感じで。厳しい人は結構厳しくて。あとは自動車のパーツをパッキンから出してコンテナに乗せるだけのバイトとか、フレンチレストラン、セブンイレブンもやりましたね。

藤井:僕も、高校生のときには日雇いとか清掃とかをやったかな。すごいキツかった覚えがある。次、いきますね。……”最近あった面白かったこと、最近行った場所”。

— 2022年からライブ、イベント系はかなり動き出した感じがありますよね。

藤井:VISIONのラスト、SUMMIT周りの面々が出ている日は行きましたね。信じられないぐらい暑かった。

TEITO:その少し前に僕もVISION行きましたけど、喫煙所が奥の小部屋みたいな場所になっててしんどかったです。

— 喫煙所問題はクラブの集客には大きく関わってそうですよね。小箱とか、DJバーが流行る理由が分かります。

藤井:VISIONもContactも無くなっちゃいましたもんね。あ、フジロックには久々に行きましたよ。

TEITO:僕はカメラロールが家の写真ばかりで悲しいです。コロナ前は年に3回ぐらい、地方に行っていたんですけど、今は年に1回も無いですし。家で遊ぶことが多くなりましたね。あとは別に面白くはないですけど、週2でジムに通ってます。そういえば某ファッションブランドの会社のジムがすごいらしいですよ。

藤井:なにそれ?

TEITO:社員の人が福利厚生の一環で利用できるジムを本社の地下に作ったみたいで。

— 釣りとキャンプとゴルフが一周しまして、今は筋肉に戻って来ている感じです。ファッション業界は。

TEITO:藤井さんはサウナとか行かないんですか?

藤井:全然行かないねえ。サウナだけじゃなくなんにも行ってない。

— テレビの人はゴルフに行っているイメージがありますけど。

藤井:一時期は若い人にも流行りましたけど、今は行ってる人そんなに多くない気がします。

TEITO:キャンプもそうですが、アウトドア系の趣味は時間を取られますからね。

藤井:ね。もっと時間に余裕が出来たらやりたいよね。

TEITO:次はキャンプに行きましょうよ。

— 次のお題に行きますね。……”スポーツ”。

TEITO:藤井さんは格闘技、好きですよね?

— メイウェザー、どうでしたか。

藤井:そこまで興味は無かったんですけど、想像していたよりも面白かったですね。那須川天心と武尊はめちゃくちゃ面白かったです。

TEITO:僕もあれをきっかけに格闘技を観るようになりました。今って試合が行われるペースも結構早いですよね。

— インターネットと格闘技はとにかく相性が良いんですよね。K-1の頃とはそこが一番の違いなのかなと。

TEITO:たしかにYouTubeで格闘技、観ちゃいます。

藤井:TEITOはもともとサッカー好きでしょ?

TEITO:はい。サッカーと格闘技は観てます。藤井さんは他に興味のあるスポーツってありますか?

藤井:スポーツは学生の時は好きだったけど、働き始めてから意図的に断ち切ったみたいなところはあるかな。自由な時間が極端に無くなったので、仕事に直結するものを優先したというか。スポーツよりも映画とかの方が仕事的に観ておかないとだったからさ。

TEITO:僕は逆に映画を丸々1本観られなくなってきてるんですよね。集中力が続かなくて。自分がそうなってるのが本当に嫌なんですけど。多分、YouTubeとかの影響ですよね。

藤井:ファスト映画みたいな言葉もあるしね。

TEITO:映画館なんてしばらく行ってないです。

藤井:それは俺もそうだよ。じゃあ次で……”漫画とアニメ”。

— 良いタイミングで出てきましたね。最近の日本で話題になるものを見ていると、やっぱり漫画とアニメが中心になっているのかなと。コロナ以降、圧倒的に強い感じはあって。

藤井:僕はあまりアニメを観る習慣って無いんですけどね。

TEITO:最近だと『サイバーパンク エッジランナーズ』を観たんですけど、めちゃくちゃ面白かったですよ。あれはゲームが原作ですけど。

藤井:へぇ~。最近は元ネタよりもアニメが面白いってこと、多いよね。漫画の場合は静止画が動く訳だから、上位互換みたいに捕えられてるのかな。昔は原作の地位がもっと高かった気もするけど、それも変わってきてるんだろうね。

— では次で本日最後のテーマです。……”オススメのランチ情報”。

藤井:この前、モニーくんのモニチキ(MONICHIKI HOUSE)に初めて行ったんだけど、普通に美味しかった。ブランディングも含めてかなり良い感じ。

TEITO:Uberしたことはあります。すごく美味しいですよね。ボリューム感もあるし。

藤井:近所にあったら頻繁に行っちゃうかな。

TEITO:僕は下北沢に良く行くんですけど、お気に入りのお店がここ最近でみんなクローズしちゃって困っています。

— それじゃあ今回はこの辺りで。皆様、次回もお楽しみに!