毎日のように魅力的なスニーカーが次々とリリースされ、飽和状態にまで達した昨今のスニーカーブーム。絶大な人気を誇る定番アイテムもいいが、そろそろ人とは違うシューズが欲しくなって来たという人も多いことだろう。
そんな中、次なるトレンドとして高感度なスニーカーフリークたちの目にとまったのが、アメリカの名門ランニングブランド[BROOKS]。100年の歴史を持つ同ブランドの復刻コレクション『BROOKS HERITAGE』ラインが日本国内のキーアカウントのみで展開され、今じわじわと注目を集めている。
日本ではまだ浸透していないが、実は[BROOKS]は他のランニングブランドを抑え、アメリカで最もポピュラーなブランドの1つなのだ。日本でブームに火がつく前に、早めにチェックしておきたいところ。
本特集ではファッションコンシャスでありながらも、根底にランニングマインドを持ち続ける最後のブランド[BROOKS]の魅力を、その歴史と『BROOKS HERITAGE』ラインと共に考察する。
Photo : Keiichi Ito 、Text & Edit : Shu Nissen
CHARIOT
[BROOKS]の代名詞とも言えるのが、1982年に誕生した伝説のモデル『CHARIOT』。権威あるランニング専門誌 ランナーズワールドが“Best New Model”の名を捧げるなど、80年代のランニングシーンを牽引し、当時のランナーたちに最も多く履かれたシューズの1つだ。
着地した際に足が内側に倒れ込むプロネーションをコントロールする”ダイアゴナル・ロールバー”や、クッショニングを高める3層インソール、衝撃吸収に優れたソリッドラバーアウトソール、可視性を高める光反射素材、と80年代に同ブランドが開発した多くのテクノロジーを搭載。当時のシリアスランナーに愛されていたシューズだけに、もちろん申し分のない快適な履き心地を味わえる。
何よりこのシンプルでオーセンティックなビジュアルは、現代のファッションにも自然に馴染むのだ。レトロな佇まいながら、日本ではまだ目新しいデザインで新鮮さがある。今履きたいのはまさにこんなシューズではないだろうか?