4年のインターバルを経て鳴り響く、GAGLEの新境地

by Keita Miki

杜の都、仙台を拠点にグループとして20年以上のキャリアを誇るヒップホップユニット、GAGLE。MCであるHUNGER、HUNGERの実兄でありトラックメイカーとしても活躍するDJ Mitsu the Beats、ライブDJを務めるDJ Mu-Rの3者から成る彼らの最新作であり、通算6作目のオリジナルアルバムとなる『Vanta Black』が遂にリリースされた。
ジャジーなサンプリングサウンドというパブリックイメージのあった彼らが、今作で新たに展開する音像は、リスナーの意表を突くディープなベースミュージック風のトラックも含む、全12曲。自らの音楽を追求し、彼らにとっての”黒さ”が鳴り響く『Vanta Black』を通して見えてくるGAGLEというグループの現在の姿とは。

Photo:Kota Shoji、Interview&Text:Maruro Yamashita、Edit:Keita Miki

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やりたいことをやる、やりたいことを続けるのって、続ければ続けるほど理由が必要になることだと思うんですよ。だから、やりたいことをやるときには周りに迷惑をかけるんです、絶対。(HUNGER)

— 最新作となる『Vanta Black』が、前作の『VG+』以来、約4年ぶりにリリースされました。制作はいつからスタートしたんでしょうか?

DJ Mitsu the Beats:制作自体は前のアルバムを出してからすぐに始めたんですけど、とにかく山あり谷ありで、時間がかかってしまいまして……。

DJ Mu-R:ありがたいことに、定期的にライブのオファーを貰えることもあり、大体毎月どこかしらではライブをさせてもらっていました。だから、4年ぶりって言ってもあまり休止感はないのかも。制作と同様、ライブの比重も高いグループなので。

— その間には、HUNGERさんの初のソロアルバム『SUGOROKU』のリリースや、個々人の活動もありましたが、GAGLEとして曲を作るときは、皆さん”GAGLE用”に切り替えをされているんですか?

DJ Mitsu the Beats:そうですね、僕はソロでも作りますけど、GAGLEのためにはこれっていう感じで決めてからビートを作っています。

HUNGER:決めてますね。ソロに関してはコンセプトがすごくはっきりしていたっていうこともあるけど。僕が普通に兄貴のビートで曲を作るとなったら、それはGAGLEの曲を作るってことなので。2人にはリリックにおいても納得して欲しいと思っているから、そういう意味ではリリックの書き方も違うと思います。常に2人を意識しています。

HUNGERのソロアルバム『SUGOROKU』

— HUNGERさんはソロアルバムリリース時のインタビューで、「次のGAGLEの作品はこれまでと少し異なるテイストになる」と話していましたが、その時から今作のような世界観を持った作品になるということは決まっていたのでしょうか?

HUNGER:決まってましたね。ただ、結果的に4年経っちゃったので。本当はもっとコンセプト寄りのアルバムになる予定だったんですが、最終的には、少しバランスをとって仕上げました。

— 当初はどのようなコンセプトのアルバムを予定していたんですか?

DJ Mu-R:アルバムの前半の方に収録されているような、ちょっとベースミュージック寄りの、今まではなかったような、ああいう音色だけでまとめる予定だったんです。けど、時間も経ってしまったので、従来の曲調に近いような楽曲も収録して、バランスをとって着地したって感じですね。

DJ Mitsu the Beats:今思えば、恐ろしいチャレンジをしようとしてたね(笑)。

HUNGER:1年のインターバルでリリースするくらいだったら全然良かったのかもしれないけど。

DJ Mitsu the Beats:あの時だったら勢いのままいけたんだろうけど、時間が経っちゃったからね。

HUNGER:4年も経つと、その後ツアーもしっかり回ることになるだろうし、現場のことも考えなければいけなくて。自然とバランスを取りたくなるくらいの期間なんですよ。4年っていうのは(笑)。