ブラック・コミュニティーや人種間問題に焦点を当てた数多くの名作を産み出し、尊敬を集めるスパイク・リー(Spike Lee)。彼の提案する『映画監督を志す若者が観るべき世界の映画87選』が公開され、話題となっている。
この『87選』は、ニューヨーク大学で15年間教鞭をとってきた彼が、コースの初日に実際に学生たちに配ってきたもの。リストアップされた作品は、アルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)、スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)、スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)といった著名監督の人気作や、『ウエストサイド物語(West Side Story)』、『アラビアのロレンス(Lawrence of Arabia)』、『パリは燃えているか(Is Paris Burning?)』といった往年の名画、日本では迷作として人気をさらった『第9地区(District 9)』の名前も。日本人監督としては黒澤明、井伏鱒二原作の『黒い雨(Black Rain)』を映画化した今村昌平の2名が選出されている。
また現在、同氏はKICKSTARTER(キックスターター)にて新作映画の制作資金を募集中。こうしたクラウドファンディングサイトでは提供資金額に応じた景品が用意されるが、今回は1,000ドル以上の出資で新作映画へのエキストラ出演権、5,000ドル以上でエンドロールへの氏名掲載権、10,000ドル以上でなんとスパイク・リー本人とのディナー権をプレゼント、しかも隣の席を確約とのこと。
The Newest Hottest Spike Lee Joint – Spike Lee
http://www.kickstarter.com/projects/spikelee/the-newest-hottest-spike-lee-joint
質疑応答欄では、「よくある質問その1:既に確立された富裕な映画監督であるあなたがどうしてKICKSTARTERに?」「あなたがKICKSTARTERに現れることで若手の可能性を奪いますよね?」といった疑問に対しても、「私は今もインディーズ監督ですし、これからもそうありたいと思っていますし、それなので資金繰りに奔走しているわけです」との真摯な回答を寄せている。
こうした姿勢や、開始一週間で既に最高額である10,000ドル以上の資金提供枠を21人が埋めていることからも、同氏への厚い支持が窺い知れる。尚、件の新作はスリラー映画とのこと。制作決定の続報を楽しみに待ちたい。
【出典】
http://www.highsnobiety.com/2013/07/29/spike-lee-essential-films/