Photo:Shuhei Nomachi
ヴィクトリア朝時代、産業革命の結果として、大量生産による安価で粗悪な商品があふれていたイギリス。“モダンデザインの父”と呼ばれるWilliam Morrisはこうした状況を批判して、中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを主張した。これがアーツ・アンド・クラフツ運動だ。
2017年春夏の[DRIES VAN NOTEN(ドリス ヴァン ノッテン)]は、そんな彼の思想から着想を得たコレクションを展開。本日は、そのコレクションの中でもEYESCREAM.JPが特に気になるのこちらのコートを紹介したい。
中世の時代に手織りされたタペストリーを転写プリントした生地とカモフラージュ柄をパッチワークで組み合わせ、フード付きのコートという現代のアイテムで表現。通常であれば、主張の強いこれらの要素を一度に取り入れるとケンカしてしまうところ、計算し尽くされたパッチワーク構成でみごとに調和させてしまうあたり、さすがは[DRIES VAN NOTEN]だ。
ファストファッションが台頭し、これでもかと価格競争が繰り広げられるいまの時代、私たちはWilliam Morrisの言葉に再度耳を傾ける必要がありそうだ。かならずしも高級品が良いモノだとは限らないが、失われつつある何かに気付くキッカケになるかもしれない、そう思わせてくれる一着である。
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DRIES VAN NOTEN
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