「ほんとは意味を知らないけど、わざわざ人に聞くのもなんか寒いな」というファッション用語をわかりやすく楽しく解説する『いまさら聞けないファッション用語辞典』。今週解説する言葉は ”ノッチ”。
【第25回】ノッチ(notch)
Illustration:HONGAMA
Instagram:@hongama56
[名詞]
V字形の刻み目,切り目,くぼみ.
ノッチは切れ目、刻み目を意味します。また、布を縫い合わせる際に脱いズレを防ぐため、切り込みを入れるのですが、この合印のことを指すこともあります。とはいえ、一番よく使われるのは、主にスーツなどのテーラード・カラーの刻みについてでしょう。
ノッチドラペルという言葉を聞いたことがありませんか?
これは「きざみ衿」という意味です。大部分のスーツが上衿と下衿の間隔が開いているこのタイプですね。これに対して、ピークドラペルは「剣先衿」という意味で、下衿の衿先部分がとがった形で上衿にぴったりくっついた、いわゆる角度が0度の状態のものということになります。ノッチドラペルとピークドラペルは覚えておいて損はないでしょう。
それでは例文へ。
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客「ジャケットを買いに着たんですが、このセミノッチラペルってノッチドラペルと何が違うんですか?」
店員「セミノッチはノッチに比べて、下衿に少し出っ張りがあります。 下襟の面積が増えて幅が広くなることで、少し豪華な印象を与えます。ちょっとしたおしゃれをしたい時にお勧めです。」
客「なるほど。試着してみていいですか?」
解説:ノッチの意味を知っていたからこそできた質問ですね。
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A「やっぱノッチドラペル買っといた方が無難かな?」
B「ごめん。おれPerfumeよくわかんない。」
解説:ノッチの意味を知らないと、こういうことになってしまう可能性もあるので覚えておきましょう。